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子犬の日本国内流通事情
犬の販売頭数は、ジャパンケンネルクラブの登録頭数で見るなら年間約57万頭ですが、他団体や雑種まで加えるなら70万頭を超えています。5年前は、この内店頭陳列販売が95%程度でした。現在は、ネットの普及と業界事情を理解したお客様が増えたことに伴い、80%程度までダウンしていると予測されています。つまり、仲介業者を通したネット販売やブリーダー直譲のネット販売がドンドン増えているのです。

犬猫の流通経路はどうなっているのだろう?
流通面からの国内事情をご存じですか?

なぜ買ったばかりなのに伝染病にかかったの?
なぜ、子犬が言うことを聞いてくれないの?


こんなご相談がしばしば寄せられます。 この疑問に答えるには、生まれたばかりの犬猫がどんな経路をたどって購入することになったのかを知る必要があります。
ブリーダー、オークション、ペットショップの流通経路の図
スタートはブリーダーから始まりますが、
 A. ブリーダーから仲介業者を通じて店頭販売
 B. ブリーダーから仲介業者を通じて直譲型販売
 C. ブリーダー直販

と大きくは3分類になります。BとCは似ているイメージですが、お客様に対する販売元が全く異なります。欧米は法規制面からほとんどが、BかCのケースであり、仲介業者が生体無在庫のペットショップになっているケースが多いのです。日本は先進国の中でも法規制が遅れており、いまだにAが多い訳ですが、仲介業者がネットを利用して販売するケースも多くなってまいりました。また、ほとんどの大型ペットショップはネット販売も併用しております。

さて、欧米ではなぜ「ブリーダーから仲介業者を通じて店頭販売」がないのでしょうか?

答えは、感染症の発症確率が高くなり、かつ犬猫にとって最も大切な「社会化期」を重視しているからです。

「ブリーダーから仲介業者を通じて店頭販売」では、色々なブリーダーから集められた犬猫が店頭に陳列されていますが、生体市場(オークション)を通して入っているとしたらどうでしょうか。感染症には潜伏期間があって、菌を保有したまま、まだ発症していないことがあります。ですから、仕入れた時は元気でも、その潜伏期間があって判りませんね。発症していたら誰だって仕入れませんから。感染症を持っていることがわからずに仕入れてしまった子犬、子猫がたった1頭でもいたら他の犬も感染する確率が高くなる訳です。

Aルートで販売される場合は、その多くは競り市(オークション)を経由しており、しかも、生後45日未満で店頭に陳列される割合が60%にまで及んでいます。

今回、「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」の法改正でこれを8週齢(56日)にする動きもありましたが、結局、現実の商売を優先し、期間まで特定した内容には至りませんでした。しかも子犬のストレスは、親犬から早々と引き離され狭いケイジに入れられ、入れ替わり立ち替わり色々な人に見られて頂点に達しています。これが免疫力の弱い子犬にとって、感染症の発症確率を高める引き金となっている訳です。

ブリーダー直販直譲型であっても同じことです。ただし、そのブリーダーの犬だけが全滅するかも知れないと言うことですね。ペットショップの場合は、様々なブリーダーから仕入れているからその確率が高くなりますね。

また、早期引き渡しは、将来問題行動を起こす原因にもなります。
子犬、子猫にとって犬との付き合いや人間との関わりを学ぶ「社会化期という大切な期間があり、この生後3週〜12週は親犬から母乳をもらい、兄弟犬と遊ぶことにより、犬との付き合いを学び、ブリーダーさんから人間に慣れることを覚える、大切な自然学習期間です。この大切な期間を過ごせないとしつけしづらい(「問題行動」を起こしがち)な子になり、捨て犬、捨て猫を生む要因にもなってしまいます。

法規制の観点から考えても、ペットショップから購入する場合、

●いつから展示されているのか
●ワクチン接種状況
●親犬の性格や大きさなどを聞く、写真を見せてもらう


を必ず確認することが重要です。

優良なペットショップ は、仕入れたばかりの子犬を10日〜14日ほど隔離し潜伏期間が切れて問題がないと判った時に、店頭に陳列しています。1頭のために全滅したら大損害ですから。
ですから、潜伏期間をクリアしているか、ワクチンの接種がされていればより安心ですし、社会化期の早い時点から親犬から引き離されていないかを知るために必ず聞いてください。法規制に則った正しい業者であればきちんと答えられるはずです。
また、子犬は親犬の性格や大きさなどを引き継ぎますから親犬のことも聞きましょう。

「生後3ヶ月齢経過後の販売」が理想と言われる理由!
もうお判りですね。感染症から考えるならワクチンも打たれ、体内に抗体が出来上がり恐い伝染病にかかるケースがほとんどないからです。また、大切な「社会化期」段階を親から学習するためなのです。さて欧米では生後100日以降の販売が当たり前の傾向にありますが、なぜ我国ではなかなか進まないのでしょうか?

その一つは、ブリーダーの所有する「土地の広さ」の違いが起因しています。狭い日本ですから、ブリ−ディングを職業としている場合は次から次へと出産が続きます。 それらを別々に管理しないとなりませんから、当然繁殖スペースも広く持っていなければなりません。このスペースが確保されていれば可能なはずですが、繁殖犬の頭数が多い割にスペースが十分でない場合は、トコロテン方式で販売しなければならなくなります。

また、子犬の最も可愛い時期は生後45日前後と言われています。その時にできるだけ高い価格で売りたいと言う気持ちも理解できます。特に大型犬はあっという間に大きくなりますからね。自分だけが、生後3ヶ月齢経過後でないと販売しないとしたら競争の原理から、なかなか買っていただけない難しさが残ります。これを打ち破るには消費者のご理解と法規制で足並みを揃えるしか手がないように思っています。
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